少子高齢化と医療機関の承継対策

先代経営者の心境の変化

事業体は全て将来的に①親族内承継②第三者承継(法人内の第三者やM&Aなど)③解散のどれかの選択を必ず迫られます。

現経営者が元気なうちは「先のこと」と後継者対策を後回しにしたり、後継者が決まっていてもその後継者と衝突することも多いですが、最近はそのさらに先のフェースを見ることが多くなりました。

先代経営者が70代くらいまでのときはまだまだ生涯現役として後継者との衝突があんなに多かったのに、80代になり持病で入退院をする様になると「後継者がいてくれて本当によかった、自分がいなくても法人が回ってくれるので安心して治療に専念できる」とおっしゃるようになりました。家族で会社を経営している方にお聞きしても先代はそのように変化していったそうです。

後継者の心境

後継者も優秀な方が多く、他の事業(医療施設)を買収したり、優秀なドクターを雇用してどんどん医療法人を拡大していきます。

ある後継者は「あの時認定を受けて持分なしにしといて本当によかった。安心して事業拡大が出来る」とおっしゃっていました。持分ありのままだと後継者が頑張って拡大すればするほど、利益を上げれば上げるほど、将来の出資持分の評価が高くなり相続税が高くなりますが、認定医療法人制度を使って持分なしに移行すれば、その心配はなくなります。

親族内承継はもちろん、第三者承継でも後継者が認定医療法人制度を使って持分なし医療法人へ移行する理由です。

少子高齢化時代の承継対策の重要性

経営者の高齢化による後継者不足で医療機関の休廃業が年間700件を超えてきていますが、人口減少に対応した医学部定員の適正化や削減も考えられており(財務省財政制度等審議会令和6年5月21日「我が国の財政運営の進むべき方向」参考資料より)、都市部や一部の分野へ医師が集まっていく中で、特に地方における後継者不足や休廃業はますます加速していくものと予測されます。

休廃業を回避し事業承継を円滑に行うことが地域医療を維持存続するために非常に重要になってきます。

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