医療法人の親族内承継においては、下記の2つの理由で相続人が相続税の納税に困るため、お金に困ってしまうことがあります。
医療法人の理事長が亡くなった場合、理事長の保有する出資持分も相続財産になります。理事長が保有する他の財産の状況や相続人の状況等にもよりますが、出資持分の相続税評価額が5億円の場合、この出資持分に対してだけでも2次相続まで考えると少なくとも1億円以上の相続税が課税されると考えられます。
相続税の納税は相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内に原則現金で全額納税する必要があります。しかしながら出資持分は現金ではなく、親族で承継することを前提としているため出資持分をM&A等により現金化することも難しいため、相続人は出資持分とは別に納税資金1億円を別途自分で用意する必要があります。
上記①では先代理事長(当初出資者)が亡くなった後のケースを想定していますが、先代がまだご存命の段階で子供に持分あり医療法人の経営を承継したケースを検討してみたいと思います。
理事長職や院長職は先代理事長から後継者である子供に譲り現場の経営を後継者に任せた場合、経営の承継は進んでいますが、出資持分の承継は別に対応が必要となります。少しずつ出資持分を後継者に移しているケースもありますが、5億円分の出資持分すべてを後継者に移すと大きな贈与税や長い年月がかかってしまうため、出資持分の大半を先代が保有したままの状態になっているケースがほとんどになります。
このようなケースで、後継者である次期理事長も先代理事長が作り上げた法人を承継したからには、「もっと患者に喜ばれる医療を提供したい」とか「もっと地域医療に貢献したい」と考えるでしょうし、最新の医療を身に着けた若いドクターに代替わりすると患者が増えて法人の経営はさらに順調になる傾向があります。法人の経営としては望ましいことですが、出資を先代が保有したままの状況で法人が毎年利益を上げて純資産額が上昇し続けると、先代が保有する出資持分の相続税評価額もどんどん上昇していき、将来相続人が納税しなければならない相続税額もどんどん上昇していきます。
つまり、後継者が頑張れば頑張るほど、将来相続人である後継者が払わないといけない税金が高くなるという「頑張れば頑張るほど将来の自分を苦しめる」状況に陥ってしまうわけです。
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