直近の医療法人数の推移からの考察

厚生労働省の公表によると、令和7年3月末時点での全医療法人数が59,419法人(前年比+517法人)、そのうち持分あり医療法人の数が35,766法人(前年比△627法人)、社会医療法人が373法人(前年比+12法人)でした。

種類別医療法人数の年次推移

※厚生労働省「種類別医療法人数の年次推移」
https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/001505575.pdf

持分あり医療法人は第5次医療法改正により平成19年以降設立できなくなりましたので、今後増加することはありません。医療法人の増加は基金拠出型などの持分なし社団医療法人設立によるものです(同時点23,268法人、前年比1,153法人の増加)。

持分あり医療法人については、廃業や持分なし医療法人への移行によりピーク時の43,638法人からは7,872法人の減少ですが、それでもまだこれだけの数が存続しています。厚生労働省は承継の円滑化や医療の非営利性の徹底のために、持分なし移行を促進するためおそらく今年の8月の税制改正要望で認定医療法人制度の延長要望をすると予想されます。認定医療法人制度を利用することにより出資持分の相続税が非課税となるとともに、払戻請求による法人経営の悪化や出資者間の争いを回避することができます。

なお、厚生労働省の資料では社会医療法人になった法人の約半分が夜間休日救急3年平均750件以上、約1/4がへき地診療53日以上で認定を受けているそうです。 社会医療法人成りすれば出資持分の相続税が非課税となることに加えて、法人税や固定資産税の大部分も非課税になりますので、救急を受け入れている病院やへき地に医師を派遣出来る病院は検討してみるのも一つです。

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