【医療法人の事業承継 ヒヤリハット事例2】理事長の健康状態と「もしも」の時の承継対策

はじめに

事業承継の対策は早ければ早い方がよいですが、その理由に、経営者がいつ何時健康状態が悪化するかわからないからという理由もあります。

ある日突然想定外の事態が起こった場合にも法人経営や承継を円滑にできるように事前に対応しておく必要があります。

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ヒヤリハット事例

医療法人でも一般的な事業会社と同じく、承継を検討されている経営者の健康状態に起因するヒヤリハット事例が多い印象があります。

承継をお考えということはそれなりのご年齢であり、これまで寝食を惜しんで働かれてきたこともあり、何かしらの大きな持病をお持ちの方が多いことが理由と考えられます。

例えば、医療法人の理事長のご子息が医学部を卒業し現在専門医取得に向けて医局で勤務されているが、将来ご自身の医療法人を承継するのかこのまま勤務医としてキャリアを積み上げていくのかちゃんと話し合ったことはない、自分と同じ苦労を負わせたくないからM&Aも視野に入れている、ただしご子息が承継する可能性も捨てきれない、そのような最中に大病を患われたというケースもありました。

医療法人の承継対策

上記のような事例においては、今後医療法人をご子息が承継するのか、第三者にM&Aで譲渡するのか、もしくは廃業するのかを決める必要があります。

ご子息が承継するとしても専門医取得までは承継することが難しい場合は、その期間休診するのか(休止期間は1年超となり認可取消要因にならないか)、もしくは可能な限り診察を続けるとともに協力してくれる非常勤医師を探すのかを検討する必要があります。

また本件の医療法人が持分あり医療法人であり株価が高額である場合は、認定医療法人化による持分なし医療法人への移行も検討が必要です。

1事業年度以上の期間休診することにより本来業務の事業費用の額が発生しなくなる場合、遊休財産要件を満たさなくなります。

また、収入が全く発生しない事業年度があると、保険診療割合80%超の要件も満たさなくなります。

M&Aにより法人を存続されるのであれば、買い手側で認定の要件を6年間みたし満たし続ける必要があります。

理事長個人の相続対策

理事長個人の相続対策及び事業承継対策として、下記の3点の対応が必要となります。

理事長個人の財産棚卸と評価、法人の株価評価、納税額の試算、保険契約の再確認と見直し、遺言書作成が必要となります。

①争族対策:遺言書は作成しているか?とくに親族が事業を承継する場合に事業に紐づく財産は後継者が受け取ることになっているか?

②納税資金対策:相続税を納税出来るだけの資金を準備できているか?もしくは生命保険で確保されているか?

③節税対策:換金性の低い財産(例:医療法人の出資や事業用不動産)の納税対策はできているか?

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本件にかかわらず医療法人の事業承継についてのご相談がございましたら、下記の弊所ホームページのお問い合わせフォームからご連絡いただけますと幸いです。

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