【認定医療法人】役員貸付金の解消と不動産譲渡

医療法人は医療法上配当することが禁止されており、役員貸付金は配当類似行為として都道府県の行政指導の対象となることが多々あります。

厚生労働大臣の認定申請をした際も、役員貸付金が残っている場合は、基本的にはこれが解消されない限り認定を受けることはできません。

役員貸付金の解消方法

例えば医療法人から理事長に貸付金がある場合、理事長がこれを金銭で返済することが出来れば問題ないのですが、貸付金残高が数億円にのぼる場合はなかなか金銭での返済は難しいと思われます。また、認定利息として利息の未収金も毎年法人に計上されることから、役員貸付金の金額は毎年どんどん増加します。

例えば理事長が医療法人に不動産(病院・診療所・老健の土地や建物)を賃貸している場合は、これらの不動産鑑定を行い、当該不動産を医療法人に移転することにより返済する方法が考えられます。

ただし、不動産鑑定に係る鑑定費用や所有権移転登記費用、不動産取得税や登録免許税がかかることには注意が必要です。

また、将来理事長がご勇退後に家賃収入を生活費にあてる将来設計をされている場合も、別の勇退後の生活資金を検討する必要があります。

認定医療法人が持分放棄前に不動産を現物出資

上記と同様に、理事長が医療法人に不動産(病院・診療所・老健の土地や建物)を賃貸している場合で、その医療法人が厚生労働大臣の認定を受けて持分なし医療法人へ移行する場合を検討しましょう。

理事長所有のままであれば、建物の相続税評価額は固定資産税評価額から借家権割合を向上して評価します。土地については貸家建付地として評価し、小規模宅地等の特例の適用を受けるのであれば、持分ありの場合は要件を充足すれば400㎡まで80%、持分なしであれば同じく要件充足で200㎡まで50%評価減となります。

これに対して、持分放棄前に理事長が不動産を医療法人に現物出資した後に持分放棄すると、不動産に対して相続税は今後課税されないこととなります。

なお、出資割合や医療法上の取扱い等により他の出資者への贈与税課税等の問題や租税回避等の問題が生じる可能性があるため、実際に実行される際は税理士等の税務・医療法の専門家にご相談されることをお勧めいたします。

© 2024 藤澤文太税理士事務所